昨日書いたことの続きです。

 

相転移について書きました。引き続き、そのアナロジーで考えてみます。

 

水の状態で例えると自由度が固体、液体、気体では違います。

 

このことからもう少し進んで考えてみます。

 

水の状態図

 

 

 

高校で習う物質の三態図です。固体相、液体相、気体相で水分子のふるまいは劇的に変わります。

 

水分子の構造

 

 

 

これと同じように、大学全体は、成り立ちや歴史、建学の目的などによって、独自の発展をしてきました。しかも大学誕生以来、数は増え続け、形態も多様化しています。志願者と受け入れの需給のバランスも大きく変化しました。

 

それを大学の属性あるいはペルソナごとにカテゴライズしてクラスター化できたとして、それぞれのクラスター間には、相とも呼べる状態の大きな違いがあるのではないかというのが、今回の私の発想の出発点です。

非階層的手法のイメージ図

ところが、大学の募集戦略を語るときに、この状態の違うクラスター(簡単には大規模大学と中規模大学そして小規模大学)を区別せずに語られることが多いのです。そしてボリュームゾーンである中規模大学が取っているマーケティング戦略があたかも小規模大学でもとるべき戦略のように語られます。もっと言うと、広告媒体社(教育情報会社とも言いますが)は、同じフォーマットの商品を売る方が楽に収益を上げられますから、小規模大学に個別に向き合ってくれません。

 

小規模大学の場合は、その小回りを生かした対面プロモーションに力を入れるべきです。きめ細かな訪問やイベントなどを行うのが有効です。その際、今ならCRM を取り入れたone on oneマーケティング手法がベスト、そしてこれが事務DXになりますので、構築には文科省の補助金が活用できます。

 

まだまだ小規模大学の募集戦略についてはやれることが残っています。小規模大学でうまくいっている事例を、徹底して研究すれば、勝ち筋が見えてくるはずです。

 

次は、勝ち筋について書いてみようと思います。