今年の数学の問題は、受験生の心が折れるレベルで難しかった。

問題文を読みこなさなければならず、さらに公式(定理)に当てはめて解くような問題ではなく、定理の導き出し方をりかいしていなければならない問題が多かった。緊張してる上、限られた時間の中で解かなければならなかった受験生の多くがパニックに陥ったことは想像に難くない。

 

高校の先生からは痛切な批判を耳にしたが、大学入試センターが二年目の共通テスト数学をどのように総括するだろうと関心を持ってきたが、昨日報告書がアップされた。早速、facebookにリンクを張ろうと思ったが、コミュニティーのガイドランでスパムとされてしまい、リンクが貼れなかった。そこでブログならば大丈夫だろうと思い記事を書き始めた。

 

これである。↓

 

 

数学Ⅰ・Aの報告書のまとめの部分を読んでみた。時間が足りなかった点と「桁数の多い四則演算の繰り返しは,高校数学の本質的な内容ではなく,さらに現在のテクノロジーの普及を考えればより検討の必要がある。」ことについては反省が述べられている。この点は、来年度からは改善されることを期待したい。平均点が30点台では、受験生の数学の資質は測れないだろう。

 

その一方で、私が関心を持ったのは「授業改善のメッセージ性」という文言である。

次のようにある。

「「令和4年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」では,各科目に共通する「問題作成の基本的な考え方」の一つに,「『どのように学ぶか』を踏まえた問題の場面設定」が挙げられている。その中では授業改善のメッセージ性のことが言及されており,今回の共通テストではこの観点から示唆的な結果が見いだされた。具体的には「数学Ⅰ・数学A」の第1問〔3〕⑴(「数学Ⅰ」では第2問〔2〕⑵)についてであり,正弦定理を用いて解答するソタの正答率は7割台半ばであったが,正弦の定義に基づいて解答するチツテの正答率は5割台半ばであった。すなわち,正弦定理を用いて問題を解くことができた受験者の中に,正弦の定義そのものは理解していない生徒が相当数いたと推察される。数学では定義に基づいて考えたり判断したりすることは最も基本的なことであり,学校での数学の指導や学習が,公式の機械的な適用練習による形式的なものに陥らないように留意したい。 」

そして最後にも

「授業改善のメッセージ性として,今後も,数学的活動の一つの姿を具体的な数学の問題とその解決の過程を示しながら発信していきたい。

とある。おそらく、今、高校で行われている数学の授業を変えてほしいということをいっているのであろう。この点はに私は問題を見たときから関心を持ってきた。このことをなんとか仕事の中で関われないかと考えている。

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これは、私のこれまでの関心と今の仕事に関わることだからである。

 

というのも私は数学は好きだが、解法よりも公式の導き方や公理系に関心があったため、テクニックで解いていく高校の数学は得意ではなかった。そのため、定期テストではよくパニックに陥った。受験の頃には解法をパターンで暗記することで、なんとか苦手を克服したが、それは自分の好きな数学とは違っていた。結局、理系であったが、大学に入っても、好きな数学を追求することなく、むしろプログラミングの世界に関心を持ち、しばらくプログラマーのようなことをやっていた。そこからチューリングマシンなどのコンピュータサイエンスに惹かれ趣味として学んできた。社会に出てからは企画屋(プランナー)として、分析と予測のツールとして数、高校も字、データとの付き合いを続けて、統計学や急に出てきたデータサイエンスの教育ということに関心を持ち、今では、シンクアップという株式会社を共同起業して、なんとなくその周辺で仕事をしている。

 

これから数年間、新課程に完全に移行する2025年度入試まで小学校から高校までの「学び方が変わる」。それを受け継ぐのが入試であり、大学での教育になる。大学も相当変わらなければならない。キーワードは高大連携ということになる。過去、大学入試が選抜するというゲートの機能を果たしてきたが、これからはよりスムーズな移行を行うためのものとなる。そのためには高校と大学との対話が重要になると思われるので、それをお手伝いすることを株式会社シンクアップの仕事として行っていきたい。