時々読みに行っているサイトに田中宇(さかい)さんのブログがあります。

通常、有料読者を対象に独自の情報網で仕入れた質の高い国際情勢を発信していますが、以下の記事は無料で公開されている記事のなかにあったものです。2014年1月20日のものです。

金地金不正操作めぐるドイツの復讐

ロンドンやニューヨークなどで行われている金地金の国際市場と、世界的な為替市場において、米欧の大手銀行が、談合による相場の不正操作を、何年(何十年?)も前から続けていた疑いが濃くなり、EUや英米の政府当局が捜査を行っている。 (How London's gold and silver price benchmarks are 'fixed')  

1月16日、ドイツ政府の連邦金融監督庁(Bafin)のケーニヒ長官がフランクフルトで行った講演で「金地金と為替の国際市場に対する相場の不正操作は特にひどい。(すでに捜査が一段落した)LIBOR(ロンドンで定められている世界的な銀行間金利)に対する相場の操作は、銀行間の指標に対する不正操作でしかないが、金地金や為替に対する操作は、世界のあらゆる金融取引に影響を与えているからだ」という趣旨のことを述べた。 (Metals, Currency Rigging Is Worse Than Libor, Bafin Says)  

欧米当局が、為替や金相場に対する金融界による不正操作について捜査しているという話は、昨年から指摘されていたが、捜査の実施を金融当局者を認めたのは、今回のケーニヒが初めてだ。独金融監督庁によると、EUの独占禁止当局や米英スイスの捜査当局が、為替と金相場の不正操作について調べている。 (London Gold Fix Calls Draw Scrutiny Amid Heavy Trading)  

ケーニヒは、すでに不正操作に関する捜査が一段落して訴追も行われたLIBORについて、銀行間の概算指標でしかない、という感じで発言したが、実のところLIBORは世界の代表的な金利だ。融資などの金利を決める際の世界的な指標であり、銀行間金利の枠を越えた重要な存在だ。ロンドンで毎朝連絡をとりあってLIBORを決めている米欧大手銀行が、08年のリーマン危機後に実態値から離れた金利を報告し合うことでLIBORの金利を不正操作していたことは、2012年に暴露・捜査され、LIBORと国際金融市場自体に対する信用が損なわれた。 (英国金利歪曲スキャンダルの意味)  

独金融監督庁のケーニヒ長官は、今回発覚した金地金と為替に関する国際銀行界による不正操作が、LIBORの不正操作よりも悪質なものだと述べている。世界を代表する金利であるLIBORだけでなく、世界を代表する金地金の相場であるロンドンとニューヨークの相場、ドル・ユーロなどの国際為替相場も、金融界自身によって歪曲されてきた疑いが強くなったことは、世界経済にとってこれ以上深刻な事件はない、というほど重大なものだ。しかし、米欧当局が捜査していることをドイツの長官が認めたという今回のニュースは、マスコミでほとんど報じられていない。 (How Gold Price Is Manipulated During The "London Fix")


きわめて重要なものだと私は考えています。

最近の金融の混乱の底流に流れている動きです。ニュースとして起こっていることは断片的で解説されることはないのですが、間違いなく、このあたりのことがくすぶっています。

昨年、ドイツのメルケル首相が突然、アメリカとフランスの中央銀行に預けてあった金塊を本国に引き上げました。空輸したのです。その量は600トン。フランスの全量、アメリカに預けてあった1/5です。どうして1/5だけだったのかはわかりません。この行動がちょうど一年前の1/16でした。⇒ドイツの金塊引き揚げがドル崩壊を誘発する?

まさに金融資本主義の根底をひっくり返すようなことが深く進行しています。

注意深くニュースを見ていると金融、銀行関係の自殺や殺人がやたらと増えています。

気持ちが悪いのでいちいち書きませんが、異常です。特にヨーロッパ。

そして今回の内閣府の職員の不審死。

転職といえばDODA

私はなにか関係がある気がしてなりません。

とにかく注意深く国際情勢と金融の動きを見た方がいいという気がしています。キプロスでも動きが起こっています。

キプロス、欧州復興開発銀行に支援要請したらしい|ソーシャル系ニュースブログ『蛙の目』

【参考】 キプロス危機とは|金融経済用語集



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この世界(人類)的な問題は膿を出すことを遅らせれば遅らせるほどにひどいことになります。リーマンショックの時にチャンスがあったのに、世界は「直す」ことを選びませんでした。