APECの欠席でアジアでの信用を落としたアメリカが今回のフィリピンの台風救援では力を見せているようです。

かわりに中国が評判を落としています。

------------

フィリピン被災地支援で光る米国の「ソフトパワー」

http://bit.ly/17kMBqW


(CNN) 台風30号(ハイエン)で壊滅的な被害を受けたフィリピンへの支援活動で米国が目立った活躍ぶりを示し、軍事、経済力といった「ハードパワー」をしのぐ「ソフトパワー」を発揮している。

フィリピンへ送り込まれた米海軍の原子力空母ジョージ・ワシントンは満載排水量9万7000トン、搭載可能な戦闘機75機、乗員6250人と、圧倒的なハードパワーで知られる。しかし被災地では、そのソフトパワーが大きな影響力を持つ。艦内には51床の病棟や手術室、歯科治療施設を備え、支援活動に当たる米海軍艦隊のまとめ役を果たしている。

台風被災地への人道支援のような場面は、米軍が世界に存在感を示すチャンスだ。特に、アジアでの影響力は近年、中国が米国を上回っているとも指摘されるだけに、貴重な機会といえる。

被災地に出動しているのは米軍だけではなく、英国やオーストラリアの艦隊も救援に駆けつけた。だが米国はフィリピンの旧宗主国であり、長年にわたり同国にアジア最大級の基地を置いていたこともあって、特につながりが深い。


フィリピンの政治アナリスト、ラモン・キャシプル氏はさらに、台風30号で甚大な被害を受けたレイテ島は第2次世界大戦中、米軍が日本軍からフィリピンを奪還するために上陸した場所だったと指摘する。

こうした歴史を背景に米国の支援が歓迎される一方で、中国の対応には批判が集まっている。中国が当初表明した人道支援は10万ドル(約1000万円)。その後160万ドルに増額したものの、家具大手イケアが表明した270万ドルにもはるかに及ばない規模にとどまった。

中国の判断には南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島の領有問題が影を落としているとされ、同国のイメージダウンにつながっている。アナリストの間では、中国は被災地支援で人心をつかむチャンスを逃したとの見方が強い。