イラン:革命防衛隊「警告」 改革派1000人集結 - 毎日jp(毎日新聞)

革命防衛隊はこれに先立ち、抗議行動を「非合法活動」とみなし、「暴徒」への武力行使をためらわないと警告した。革命防衛隊が前面に出てきたことで、抗議行動は革命体制そのものへの反逆行為であると位置付けた形だ。

イラン革命への敵対行動だとして反体制派を抑え込むために『「革命」防衛隊』が前面に出てきたというニュースです。
何を持って革命というのか、イランの場合は西欧文明への決別、イスラム原理主義への回帰であったわけですが、その影でやはり「自由」の抑圧が行われているわけで、その不満は革命から30年たった今、爆発しようとしています。

石油エネルギー問題、イスラエル-パレスチナ問題を含めて20世紀後半の歴史のホットスポットが今再編されようとしている予感があります。



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アラブ人 - Wikipedia

汎アラブ主義 - Wikipedia

汎アラブ主義とイスラーム主義 [編集] なお、マスコミでさえしばしば誤解した報道をするが、民族運動である汎アラブ主義と、宗教運動であるイスラーム主義は対立する概念である。 汎アラブ主義においてはイスラム教は「アラブ民族の誇る宗教文化の一つ」とされ、政治へのイスラム教の介入は忌避された。この事はキリスト教徒等の非イスラム教徒アラブ人が汎アラブ主義に参加している大きな理由である。また、シリアの故ハーフェズ・アル=アサド大統領の出身であるイスラム教アラウィー派の様に、イスラム主流社会たるスンニ派やシーア派(12イマーム派)から差別されたマイノリティーであっても参加する事ができる大きな理由となった。 しかし、これは明確な主張というよりは、無神論を訴える共産主義・社会主義と既存の民族主義の妥協の産物といえるものであった。アラブ諸国においてソヴィエト式の厳密な社会主義体制を取った国は、過去には旧南イエメン人民共和国(現・イエメン)しか存在していない。なお、これに対して旧北イエメン(イエメン・アラブ共和国)は王政が倒された後にナーセルに強い影響を受けた汎アラブ主義国家が誕生しており(外交的には親サウジアラビア→親エジプト及びソヴィエト→親サウジアラビア及び旧西側諸国)、統一されるまでアラブ社会独特の南北問題が存在していた事になる。
このため、現実には宗教と政治を分離する明文に乏しく、伝統的に宗教の力が強いアラブにおいて発生した汎アラブ主義は政教分離に成功していないとされる。シリアでは大統領がイスラーム指導者から高位の宗教的身分を得た。この様にイスラームとの距離のおき方は成立以来の懸念材料であった。
それでも神権を第一とするイスラーム主義にとっては、イスラームを表面的・形式的とはいえ減退させる汎アラブ主義とは対立せざるを得ない。エジプト、シリア等では早くからムスリム同胞団等による爆弾テロや要人誘拐・暗殺が起こり、シリアに至っては多数の無関係の一般市民を巻き込んだ弾圧に乗り出した。
1982年、シリアの大都市の一つでスンニ派社会の中心であったハマーでムスリム同胞団による反政府暴動が発生し、シリアは大統領親衛隊、特殊部隊、空軍を動員してこれを強行に鎮圧。ムスリム同胞団ばかりでなく一般市民の多くが逮捕・拷問・処刑され、歴史的建造物やモスクを含むハマ市街そのものが砲撃や爆撃で破壊されるという大弾圧を行った(ハマ事件)。
(なお、シリアはアメリカからレバノンのイスラーム主義組織「ヒズボラ」に対する支援が指摘されてテロ支援国家に指定されているが、これは同組織が掲げる反イスラエルという共通の利害の一致によるものと考えられる)

イラン(ペルシア人)のイスラム革命の直後に起こったイラン・イラク戦争は、この対立が具現化したものである。 このほか表面的、欧米的な見方ではあるが、汎アラブ主義の社会主義的側面を捉えてアラブ独自の左翼、イスラーム主義の復古的側面を捉えて右翼と捉える識者もいる。



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イラン革命、ソ連のアフガン侵攻が起こった年、歴史は大転換した。そのことに気づいた人はどれ程いたのだろうか。自らの歴史を失いつつある日本人は今をいかに生きるべきか。
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一九八四年の「アンティゴネ」と二〇〇三年の「アンティゴネ」/戦時の「傷」は暴かれるのを待っている/今さらネオコンだなんて―ネオコンの祖ノーマン・ポドレッツの転変/「一九六八年」を担ったのは誰だったか?/山本夏彦の「ホルモン、ホルモン」/いま何故、四十年前の洗脳テロリスト物語か?/イラク派遣「人間不在の防衛論議」ふたたび/「軽い帝国」が行使する「まだましな悪」/一九七九年春、その時に「歴史」は動いていた

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ハミッド・ダバシは、エドワード・サイード亡きあとのアメリカで、傑出した中東出身の知識人である。彼が書く「イラン」は、アメリカのネオコンによって作られたイメージから程遠い、と同時に、イスラーム教権政治からも程遠い。それら表裏一体の対立の下に抑圧されている「反植民地近代性」あるいは「世界主義」のヴィジョンこそ、「イラン」である。それは、イランの内と外に生きてきた著者のみが提示しうるものだ。また、本書は、今日のイラン映画がいかなる文脈で生まれてきたかを知るためにも必読の書である。――柄谷行人(文芸批評家)
イラン随一の論客が、近代イラン200年の歴史を丹念に追い、西欧からの視線によって捏造された被植民国の歴史、「近代性」と「伝統」との対立という幻を払拭する、政治/文化史の決定版。植民地近代性を問い直す、画期的好著!