Bloomberg/1万人超が早期退職の道 ビッグスリー UAW組合員 - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE
GM(ゼネラル・モーターズ)、クライスラー、フォード・モーターの米ビッグスリー(自動車大手3社)は、UAW(全米自動車労働組合)の組合員を対象にした早期退職制度により、合計1万100人の削減を行う見込みだ。  複数の関係者によると、早期退職制度によって、GMは5000人、クライスラーは3000人を削減する。早期退職の応募締め切りは、GMが24日、クライスラーが27日だ。バークレイズ・キャピタルの推計では、フォードは4月1日から希望退職の募集を始め、2100人を削減する。


UAWも動き始めたようです。しかし、サバイバルには遅すぎるのでないでしょうか。今後どのような評価がUAWに下されるのか関心がありますが、とにかくリストラに組合自らが動き始めたことは大きな変化でしょう。


なぜGMは転落したのか

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
世界一の自動車メーカーとして君臨し、優秀企業の代名詞だったGM(ゼネラル・モーターズ)は、なぜ経営危機に陥ったのか?その最大の元凶は、巨額の会社負担を伴う手厚い企業年金制度である。半世紀にわたる経営者、労働組合、政府の無策と妥協によって膨れ上がった退職者へのコスト―年金や医療費の支払いは、会社の利益を食い尽くし、債務超過へと転落させたのだった。そして同様の現象が今、優良企業や地方自治体を次々に破産させている…。全米屈指の金融ジャーナリストが、「アメリカ経済のブラックホール」と呼ばれる年金問題を切り口として、世界経済を揺るがすビッグスリー救済問題の背景を解説。年金基金の運用悪化に直面する日本の企業に貴重な教訓を与える注目作。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 誰がGMを殺したか(ビッグスリーとデトロイト協定/妥協と無策の果てに)/第2部 年金をめぐる戦い(「公務員」という名の特権階級/ストライキ!)/第3部 自治体が破産するとき(最高の都市、サンディエゴ/年金をめぐる陰謀/支払期日の到来)/結び 打開策

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
ローウェンスタイン,ロジャー(Lowenstein,Roger)
10年以上にわたってウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者として活躍。1989年から91年にかけて同紙株式欄にコラム“Heard on the Street”を執筆。ニューヨーク・タイムズ・マガジン誌やスマートマネー誌など経済・金融各紙誌に寄稿し、全米屈指の金融ジャーナリストとして知られる。作家としても高く評価されており、とくに巨大ヘッジファンドの破綻劇を描いた『天才たちの誤算』(日経ビジネス人文庫では『最強ヘッジファンドLTCMの興亡』に改題)は全米ベストセラーを記録した

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「彼ら(UAW)の妥協も評価すべき」:日経ビジネスオンライン ←面白い記事です。民主党の議員が労組が嫌いということが書いてあります。

>労組が支持基盤と見られている民主党の議員が反対したことを理由に挙げる。「彼ら(一部の民主党議員)は労組が大嫌いだ」(ボイノビッチ議員)。

>反対した民主党の議員は、「Right-to-Work states」と呼ばれる、主に西部や南部の22州から選出されているとする。これらの22州では「A Right-to-Work law」という法律によって、一部の業種を除いて労働者が組合に加盟の有無にかかわらず、就労する権利を保障している。そのためRight-to- Work statesでは、基本的に労組が地盤になっていない。

>ボイノビッチ議員は、GM(ゼネラル・モーターズ)やフォード・モーターもホンダやトヨタと同じような、良いクルマを作っているからと信ずる。しかし、経営が立ちゆかないのは、退職者に払う年金や医療費などいわゆるレガシーコストが莫大なためという。

>ビッグスリーは本来、経営基盤はしっかりとしたものがあると言うならば、労組と良好な関係を生かしながら、諸悪の根源になっているレガシーコストを払拭する取り組みが、彼には求められている。

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アメリカ労働運動の新潮流
第1章 80年代労働運動の衰退(PATCOストライキ/コンセッション〈譲歩〉/量的衰退)/第2章 労働運動再興への努力(労働戦線の統一/組織化への新しいアプローチ―AFL‐CIO『変貌する労働者と労働組合』/組合合併とコンセッションへの抵抗)/第3章 日本的経営の浸入とその受容(日本的経営の特徴と移転可能性/アメリカ自動車工場におけるQCサークル/日本的経営のアメリカ労働者に与える影響)/第4章 第3の波はくるか?(我々は今どこにいるのか?/ローカル・レベルの動き/組合運動ならざる労働運動― 「非公式労働運動」)