先週「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」というトム・ハンクス主演のDVDをみました。1987年12月のソ連のアフガン侵攻に対してアメリカが極秘にパキスタンを通じてアフガンのムジャヒディーンや北部同盟に武器を供与して、ソ連のアフガン撤退を成し遂げるまでのチャーリー・ウィルソンズ下院議員(テキサス州選出)の活躍を描いた映画です。はじめ、及び腰だったCIAの極秘工作に、500万ドルから10億ドルにまで増額して行くさまを描いたもので、その過程でいまのアフガンのタリバンを育てたのがアメリカ自身であるということがこのことをいうのかと、よくわかる映画でした。原作はジョージ・クライル。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー - Wikipedia


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原作はこちら。ダウン

DVDオフィシャルサイト:チャーリー・ウィルソンズ・ウォー


チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(上)



チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(下)


ネオコンを思わせる人物たちも多く出てきます。ジュリア・ロバーツが演じるジョアン・ヘリングがそうですが、南部のキリスト教原理主義者たちです。

極秘にイスラエルの武器商人とエジプト、サウジからソ連製の武器を調達して、パキスタンルートでタリバン、北部同盟に武器を渡し、ヘリコプターと戦車、それに戦闘機までも破壊できるようにし、ソ連軍に壊滅的な打撃を与えたのです。これが東欧の開放、ソ連の崩壊に結びついたわけですが、同時にイスラム原理主義の勢力拡大を助長し、さらにアルカイダのような過激なテロ組織の流入も許してしまったわけです。

トム・ハンクス主演なのでエンターテインメント作品にしあがっていますが、国際政治映画としてみると勉強になります。2度くらい見ないと理解できない部分もおおいですが…。

この前みた「大いなる野望」と合わせてみると面白いです。コチラはロバート・レッドフォード、トム・クルーズ、メリル・ストリープと豪華顔ぶれながらレッドフォードらしく社会派政治映画に仕上がっています。ちょっと辛気臭いのですが、考えさせる映画です。

大いなる陰謀 - Wikipedia


 大いなる陰謀 <特別編> / トム・クルーズ/ロバート・レッドフォード


ネオコンがアフガンの泥沼にはまっていく様子をアフガンの秘密作戦に志願したヒスパニック系とアフリカ系の大学生とその指導教官の政治学者(レッドフォード)、その秘密作戦の立案者で共和党の若きホープの上院議員、そしてそのプロパガンダに担ぎ出されるジャーナリスト(メリル・ストリープ)を描いたもの。

こちらは9・11以後を描いた政治映画。

ですので、これにマイケル・ムーアの「華氏911」をあわせれば、ひとつの線で結びつくかもしれません。

華氏911 - Wikipedia


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極秘作戦に10億ドルを使ったというのを堂々と映画にしてしまうアメリカもすごいですが、それでも10億ドル、オバマ大統領が掲げる経済政策の規模はその700倍です。

戦争の方がお金がかからないという記事が先週のニューズウィークに出ていましたが、そういう空気はイヤですね。今、世界中がキナ臭いニュースにあふれています。

こういう時こそ、冷静に世界を見る目が必要なのでしょう。

そういう意味でオバマ時期大統領に期待するものは大きいのです。

サマーズ氏がこの記事で語っていること。

>「雇用創出と長期的な成長への投資の両方を行うよりも、個人消費を生み出す短期的な投資政策にもっぱら集中すべきだという主張もある。しかし、われわれが現在直面しているさまざまな問題を引き起こしたのが、まさにそうした姿勢であり、長期的な視野で米国の中産階級と経済を強化していくつもりならば、そうした姿勢は拒絶すべきだ」と述べ、オバマ次期大統領の路線はジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領とは異なる方向性となることを示唆した。

というのは経済の流れを根本から変えてくれそうで頼もしいですよね。


世界一ニュースがわかる本(オバマ政権と金融危機編)

10月の金融危機以降、よく参考にさせていただいた池田信夫ブログの「金融危機についての入門的なまとめ」というエントリーがあります。とてもわかりやすく解説されていますので、ぜひお読みください。