道内私大、損失なし 金融資産の運用 元本保証商品で-北海道新聞(教育)

>道内私大、損失なし 金融資産の運用 元本保証商品で(11/26 09:23)  駒沢大(東京)など私立大の資産運用が金融危機の影響を受けている問題で、運営する学校法人が道内にある私立大学二十六校(一部短大を除く)のうち、既に二十億円の含み損が明らかになった札幌大を含め三大学で含み損が発生したことが二十五日、北海道新聞の調べで分かった。ただ、いずれも元本保証の預金や金融商品で運用しており、実質的損失はないという。

>「含み損がある」としたのは札幌大のほか北星学園大(札幌市厚別区)と道武蔵女子短大(同北区)。北星学園大は「算定中だが約百億円の運用資産のうち数億円程度」(財務部)、約十二億円を運用する道武蔵女子短大は「二百万-三百万円」(総務課)だった

>三大学とも金融市場の混乱と急激な円高の影響により、債券に利率などの特別な条件を付けた金融商品(仕組み債)などで含み損を抱えたが、取引する金融機関とは元本保証で契約しており、満期まで保有すれば損失はないとしている。

元本保証、それなら問題はないのですか、と疑問を呈するのが次の記事です。

金融マンにカモにされる大学 駒澤大と立正大は氷山の一角|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン 2008年11月26日

>しかし立正大は各種金融取引について、「満期保有を基本としているため、最終的な損失額は確定していない」と言っていて、現時点では評価損を計上していない。後述するが、こうした認識には大いに心配な点がある。

>次に、事態を把握したら、直ちに手を打つことだ。その意味で何とも心配なのは、立正大のケースだ。前述の通り、同大学は「満期保有を基本としているため、最終的な損失額は確定してない」と主張しているわけだが、満期保有は始めから前提に出来るまともな運用方針ではない。

>筆者もかつて外資系証券会社に勤めていたのでよく分かるが、大学や学園という名の付く学校法人は、もともと金融機関にとって上客中の上客だ(学校法人のいい客にがっちり食い込んだセールスマンは毎年、億を超えるボーナスをもらっていた)。

>というのも学校法人には授業料のほか、入学金、入試の受験料などが毎年まとまって入ってくるが、学校以外の事業に使うわけではないから、現金が貯まる。しかも、土地や建物といった担保になる資産もそれなりに保有しているところが多い。たまったお金の運用をどうするかというのは、実は学校経営上重要なポイントでもあるが、金融機関の狙い所でもある。

>会計的には満期保有だからいちいち時価評価をしたくないという小市民的な気持ちは分からぬではないが、小手先の会計よりも、経済実態として最も得な(あるいは損の小さい)行動を躊躇無く行うことが、資金運用では重要だ。経済学や経営学を教えている学校なら、分かりそうなものだが、どうなっていたのか。

さあ、どうなのでしょう。