札幌大も20億円の含み損「学校運営に影響なし」 :社会:スポーツ報知

札幌大によると、資産運用は国内の証券会社を通じ、総額約79億3000万円を仕組み債や投資信託、国債で行っている。金融危機や円高の影響で評価額が下がったが、長期保有を目的としており、融資などを受ける予定はないという。


立正大学でも出てきた国内証券会社による仕組み債。名前からしていろいろな金融商品を組み込んでいそうです。
ローリスクと思われていた株式からハイリスクのデリバティブ商品まででしょうか。

札幌大学の規模では運用が79億円だと一年間の総収入(帰属収入)に近いのではないでしょうか。それを運用していたとなると結構、大きな運用です。

札幌大学/札幌大学女子短期大学部ホームページ


まだ公式サイトにリリースはありません。

財務状況については以下に平成20年5月の事業報告書が公開されています。

コチラ

それによると帰属収入は61億円です。うち資産運用益は2億4千万円。(内訳は有価証券等の受け取り利息)ということは長期運用というように見えますが、実際には金融商品なのですね。帰属収入を超える資金を運用にまわしていたわけで、責任問題は起こるでしょう。



それとこうした大学の一連の報道が外部にでると、どのように影響があるかというと理事会の内紛、あるいは教授会と理事会、教職員組合と理事会、学内の派閥争いというところです。

大学にとっては、一見、平静を装っていても、実は結構痛いネタなのです。

痛いといえばついでに大学ネタ。

尚美学園大が小室哲哉被告を懲戒解職:社会:スポーツ報知

>尚美学園大(埼玉県川越市)は21日、昨年4月から特任教授を務めていた小室哲哉被告(49)を懲戒解職とした。  小室被告は「新世紀音楽概論」を担当し、ヒット曲づくりのアイデアなどを教えていた。同大は「著作権にかかわる授業内容はなかった」としている。


それと興味がわいてきましたね、仕組み債。日本版CDO?

ちょっと違う視点で公益法人の資産運用について。一時的な評価損について。

金融パニックのときこそ金融リテラシーが必要 - 発声練習


2008-11-22 - 大学に関する話題日記

>国立大学の資産運用の幅を緩和したり,海外では運用益で大学経営しているとか煽られたりで,ハイリスクな資産運用に手を出している大学は多そうですね.銀行や証券会社に大学が持っているキャッシュを狙われたというのもあるかもしれません.今年1月10日のエントリでは,私立大学の資産運用の平均利回りは1.6%(つまり,それほど運用が上手くない).今年2月1日のエントリでは,176私大のうち65%がリスク性資産で運用経験ありとの回答.金融派生商品を用いた仕組み債の買い増しを検討しているのが30%とあり,多くの大学で傷口が広がっていないか心配なところです.
2008-02-01 - 大学に関する話題日記
>[話題][大学経営]大学の資産運用

外資系証券会社の振る舞いについて以下で読めます。コメント欄も注目。

バッタ - うーぱー日記 ( 機関投資家戦略室 )

(大学)大学の損失 - 江戸時代研究な日々

<追記>
livedoor ニュース - 駒大「デリバティブ取引」154億円損失の呆れた背景 ゲンダイネット11/23

>それにしても、学校法人は、「教育・研究に専念する」ことを前提に、法人税や固定資産税など、原則すべての税金が非課税になっている。そのうえ、 国庫からの補助金(12億円)と地方公共団体からの補助金(8億円)をもらっている。教育機関だからこそ優遇されているのに、投機まがいの運用で巨額損失 とは、呆れた話だ。学生から「授業料返せ!」と抗議を受けても仕方ないだろう。

>「大学は横並び意識が強く、『あの大学も投資していますよ』と言えば一発で落ちる。赤子の手をひねるようなものです」(外資系金融関係者)


ほらね、いわんこっちゃない、こういう意見が出てくるんですよ。