オバマ氏がIT技術に関して前向きなようで、シリコンバレーからの期待は大きいというニュース。やはり若い大統領に期待されるのはその点ですよね。経済顧問の一人にグーグルのシュミット氏が入っているなどアメリカ再生をIT技術を使って成し遂げるということも出てくるように思います。

もっとも、今回の金融危機で、一連の規制外金融商品を証拠の残らないIM(インスタントメッセージ)を使って行っていたのが要因のひとつに上げられるなど、ネット罪悪論も出ています。規制の動きもでてくるのでしょうけど、イノベーションによって危機を脱していくというシナリオを描くならやはりIT技術は欠かせないでしょう。

特にオープンネットワークということを推し進めていけば、既存の産業を大きく変えることにもつながるので、社会の変革が進みます。

あまりに人間が企業(組織)に頼りすぎた構造から行動の規範が個人の善悪ではなく、企業の利益、経済効率に置くようになってしまっていることが根底に横たわっているわけで、それを変えていく力がオープンネットワークというものにはあるように、私は思っています。

クリーンエネルギー開発に力を入れるといわれていますが、それとともにITも注目されるでしょう。

オバマ次期大領領がどのような産業政策を打ち出すかが注目されます。

ただ、あえて懸念を書きます。

グーグルがあまりに強大な力をネットの中で持ちすぎるのではないかということです。最近のグーグルの動きを見ているとそのことが少し不安になります。

このことは、もう少し考えてみる必要があるでしょう。グーグルが最初から持つコンセプトの弱点(すべてを勝手にインデックス化するという問題)、専制君主的な問題(神の視点ということやグーグル八分など)、そして変質(広告主体に変わったこと)という問題です。

もしグーグルにゆだねきったオープンネットワークだと必ずそれらの弱点が腐敗を生むことになるはずです。